デジタルトランスフォーメーション、電子帳簿保存法への対応などで、企業内のペーパーレス化は待ったなしの状況です。大量の書類を電子化するならともかく、毎月定量が発生する、外注するほどの枚数ではないといった場合は自社内(自分)でスキャンした方が安価で早いかも知れません。
ひとえに自社内でスキャンするとしても様々な方法があります。本稿では自分で資料をスキャンする方法を6つ紹介したいと思います。
目次
自分でスキャンする方法6選
無料のスマートフォンアプリから機材の購入まで、一口に『自分でスキャン』と言っても様々な方法があります。
コンビニのコピー機(マルチコピー)を使う

最も安価かつ簡単にスキャン出来るのは、何と言ってもどこにでもあるコンビニのコピー機(マルチコピー)を使うことですね。
複合機を購入(レンタル)するメリットが少ない零細企業や個人事業主の方にとっては十分対応できることでしょう。現在はただ書類を持ち込んでスキャン出来るだけでなく、例えばセブンイレブンさんでは専用のスマホアプリ「かんたんnetprint」が提供されており、スマホからクラウド上に登録された書類をプリントアウト出来るようになっています。データ形式もPDF、JPEG、TIFFなど至れり尽くせり。
セブンイレブンさん以外でもコンビニのコピー機と連携出来るスマホアプリはリリースされているので、どのコンビニでも同じような価格・便利さで書類の電子化が出来ます。一方注意点としては
- 大量の書類には向いていない
- 機種によっては仕上がりの画質にムラがある
- 原本の置き忘れが起こり得る
などが挙げられますが、恐らく使ったことがない方は居ないと言えるほど普及しているポピュラーな方法です。社会人の方なら操作に困るということはまず無いでしょう。
店舗へ持ち込んでスキャンする
キンコーズさん、関西ではカンプリさんなどに代表される、実店舗を構えているスキャンサービスへ資料を持ち込むのも手段の一つです。どちらも駅近で非常に利便性の良い所に店舗を構えていらっしゃるので『必要な時、最低限の料金で電子化できる』というコンビニのメリットがある一方、操作で分からないことがあったらスタッフに尋ねられるのも嬉しいポイント。
所によってはメンバーシップ制度も導入されているので、コンビニより価格を抑えてスキャンすることも出来るかもしれません。
社内のプリンターを使う

自社内(または自宅)に設置されているプリンター(複合機)を使ってスキャンすることは、機材をよく知っている・分からなくても周りに聞けば解決できるという大きなメリットがあります。現在では家庭用向けの小さなプリンターでもスキャニング機能が搭載されているのが普通なので、わざわざスキャナーを購入しなくて住むのが嬉しいところですね。
特にコロナ禍でリモートワークが普及してきた2020年以降は、在宅勤務に伴ってスキャニング機能を搭載したプリンターを購入するニーズも増えてきました。2023年1月現在、リモートワークが徐々に解除されている企業も多いかと思いますが、依然家庭用プリンターは在宅勤務や従業員数名程度の小規模事業所には強い味方と言えそうです。
スマートフォンアプリを使う

機材がない、でもコンビニや店舗へ持ち込むのも面倒くさいという方はGoogle PlayストアやApple StoreでDL出来るスマートフォン向けアプリも選択肢の一つに入れて良いでしょう。
各アプリストアで「スキャン」と検索すれば、Adobe社やGoogle社といったIT最大手の提供するスキャンアプリを多数見つけることが出来ます。もちろん無料です。
カメラアプリではなく「スキャン」アプリなので、撮影した文書がそのままPDFになるほか、データ形式の変更、ファイルの結合など便利な機能が搭載されています。
ビジネスシーンで使うことは少ないかも知れませんが、それでも領収書や各種書類のデジタイズが手軽に出来るのは嬉しいソフトですね。
スキャナーを購入する

初期費用は跳ね上がりますが、定期的に一定数量の書類電子化が発生する場合はスキャナーを購入することも一つの方法です。
スキャナーには大きく「自動」と「手動」の2種類に分けられます。「自動」は富士通さんのScansnapなどに代表される、用紙をセットすれば自動でスキャニングしてくれるタイプのスキャナーで、後述の「手動」に比べると本体もコンパクト、機種も豊富です。
一方「手動」はコンビニのマルチコピーやオフィスの複合機同様、スキャナーの読み取り面に書類の表面を押し当てて1ページずつ電子化するタイプのスキャナー(上画像参照)です。「自動」と違ってマニュアル作業なので時間がかかるデメリットがある一方、複雑なソフトの設定は不要で操作もシンプルなため、スキャニングに慣れていない方でも簡単に扱えるものとなっています。
考え方としては1枚ものの書類が多い方は「自動」、本や冊子など製本されている(かつ裁断が出来ない)資料が多い方は「手動」がそれぞれおすすめ。どちらも近年著しい低価格化が進んでおり、いずれのタイプでも5万円あれば最低限のオフィス業務で必要な機能は整っているので、ご自身の事情に合わせて購入を検討してみてください。
スキャナーをレンタルする
日常的にスキャンしたい訳ではないが、急遽スポット的にたくさんの資料や書類を電子化しなければならなくなった・・・という場合はスキャナーのレンタルサービスを活用する方法もあります。
販売に比べるとまだサービス自体が多くはありませんが、レンタルサービスではおおむね3泊程度からレンタルすることが可能です。『数日間だけ集中的にスキャンしなければならなくなった』『購入を検討しているが、まずは試験的に導入して使い心地を確かめたい』といったケースに最適。
なおサービスによっては1泊から貸し出ししているサービスも存在しますが、スキャナーは機種ごとに癖やソフトの仕様が異なるため、最初の1日は操作に慣れるだけで時間を費やしてしまう可能性があります。よほど予算をかけられない訳では無い限り2泊3日、または3泊程度でレンタルすることをおすすめします。
なお、電子化代行サービスである私たちそのままスキャンでは、実際に弊社が業務で使用しているものと同じタイプのスキャナーをレンタルすることが出来ます(送料無料)。
レンタルの詳細はこちら
スキャンサービスへ依頼する

ここまでは自分でスキャンする方法を紹介しました。しかしある程度予算がありかつ数千〜数万ページのレベルになっている方は、スキャニングの専門業者へ外注するのが良いでしょう。
サービスを利用するメリットは、何と言っても自社内の人的リソースを使わなくて済むことにあります。文書のスキャニングそれ自体はシンプルな作業ですから、その分をコア業務に注力出来るようになることは企業にとって非常に大きなポイントです。
またスキャン業者の大きなメリットとしては機材の問題もあります。先に説明したように、スキャニングするための設備はコンビニやレンタル、購入という形で容易に使うことが出来ます。しかし、『書庫を見たら、見たこともないようなフィルムらしき資料が大量にあった』『A1くらいのポスターがあってやり方に困ってる』このように特殊なサイズ・形状の資料の場合は自前で行うことは困難です。その点、スキャンサービスでは業務用スキャナーを揃えているため、基本的に様々な資料を相談することが出来ます。
一方デメリットとしては、いずれの業者も万単位の最低発注料金が設定されていること、電子化に関するノウハウが自社内に貯まらないこと、セキュリティや個人情報への懸念などが挙げられます。特に最後の点については業者の慎重な選定が必要です。しかし大量で電子化が必要な場合、数量が少なくても特殊な資料をスキャンしたい場合は、サービスを利用するのがベストでしょう。
そのままスキャンの電子化サービスはこちら
ケースバイケースで考えよう
いかがでしたでしょうか。スマホや低価格プリンターの普及により、自分でスキャンする方法が意外にも沢山あることがお分かりいただけたかと思います。
もちろんいずれか一択のみを採用する必要はありません。通常なコンビニのコピー機で対応し大量に発生した場合は外注する、店舗への持ち込みをメインに自社から出せない場合はスキャナーをレンタルするなど、それぞれの方法を組み合わせるのがベストです。
無理のない方法でオフィスや自宅のペーパーレス化を進めていきましょう。