資料の目録って何?どんな種類あるの?

資料の目録とは?

デジタルアーカイブの構築において欠かせないのが資料目録の作成です。デジタルアーカイブ=システム開発が中心と捉えられがちですが、そのシステムに入れるための資料データに欠かせない情報が目録。

それほど重要なものでありながら、目録をどう作れば良いのか、そもそも目録って何?と思われる方も少なくないのではないかと思います。本稿では、デジタルアーカイブ構築や資料整理に欠かせない目録について簡単に解説したいと思います。

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目録とは?

デジタルアーカイブにおける目録とは、簡単に言えばその資料を説明する補足情報や背景となるデータを指します。具体的には後述しますが、資料の作成者、分類、保管場所、作成年代などあらゆる情報が対象です。

『日本目録規則 2018 年版』では、目録について次のように定義されています。

目録は、利用者が図書館で利用可能な資料を発見・識別・選択・入手できるよう、資料に対する書誌データ、所在データおよび各種の典拠データを作成し、適切な検索手段を備えて、データベース等として編成するものである。

図書館で蔵書をPCを使って検索する際、タイトルだけではなく出版年やカテゴリ、著者名など様々な分類で調べられるようになっていませんか?これは本の一冊一冊に目録として様々な情報がデータとして付与されており、色々なキーワード種別で蔵書検索を検索することを想定している為です。

目録の目的は様々ですが、上記引用にあるように第一には検索性の為と考えられるでしょう。

どうして目録が必要なの?

目録が必要な理由の第一は先述したように検索性ですが、デジタルアーカイブという視点で考えると他にも理由があります。

資料整理・管理

図書館のOPAC用PC

大量に資料がある、にも関わらず目録が存在しないというケースの場合、目録の作成は即ち「大量にある資料をどのように分け、管理するか?」という目的に直結します。資料が適切に整理されていなければデジタル化の必要性を判断出来ませんし、追々原本管理をする上でも大変な労力を要します(そもそもデジタルアーカイブ構築のきっかけが「資料整理」になることも少なくありません)。

資料に目録、および管理番号を付与すれば、デジタルアーカイブ完成後も資料原本へのアクセスが容易になるのです

アクセス制限

アクセス制限

デジタルアーカイブシステムの代表的な機能の一つに、ユーザーに応じたアクセス制限機能があります。オフィスの文書管理において社外秘や部外秘といった、特定の人物以外の閲覧が禁止された資料の枠組みが存在するように、アーカイブ上でも会員のランクやユーザーの区分けによって閲覧制限をかけることがあります

いずれの資料に閲覧制限を設けるのかを考える際、各資料の種別や所属などの情報が不可欠です。つまり目録があればその整理が出来るという訳ですね。

検索性の確保

PCでの検索

しかし一番の目的はやはり資料の検索性の確保です。系統的に資料を整理出来れば、数万点以上あるアーカイブシステム内の資料を一瞬で、かつ様々なアプローチで見つけ出すことが出来るのは、まさにアーカイブがデジタル化したことによる最大の恩恵と言って良いでしょう。

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目録の例

それでは次に、具体的な目録の項目を紹介したいと思います。もちろんこれはアーカイブプロジェクトや資料の種類によって変わりますが、ここでは企業など民間団体のアーカイブで使われる目録を挙げていきたいと思います。

カテゴリ 目録の例
史料情報
  • 管理番号(史料ID)
  • 副題
  • 数量
  • 作成年代
  • 史料タイトル
  • 史料種別
  • ページ数
  • 作成部門
  • 劣化状態
  • 受取者
  • 分類
詳細情報
  • 目次
  • 史料概要(関係者などの情報)
管理項目
  • 保管場所(箱番号)
  • アクセス範囲
  • 利用可能範囲
  • 公開ステータス

目録作成で気をつけたいこと

考え込む女性

以上が民間団体でデジタルアーカイブを作成する際に用意される目録の例になります。実は民間企業や法人で目録を作成する場合、一つ注意しなければならないことがあります。

目録は本来、図書館や博物館などの施設での運用を想定しているものです。そのためある程度の基準があるのですが、この基準を民間団体、特に企業の目録にそのまま当てはめてしまうことはあまり推奨されません。

というのも、目的がシンプルかつ統一されている図書館のアーカイブと異なり、民間団体はアーカイブ制作の目的がそもそもバラバラな為です。自社のキャラクターコンテンツを全世界誰でもアクセス出来るようにしたい場合もあれば、ごく限られた会員向けに特定の資料を公開したい、はたまた研究データを専門家同士で共有し合える機関リポジトリを作りたいというケースもあります。

この場合、既存の目録の枠組みに囚われずプロジェクトに応じたユニークな目録を設定することが求められます。

例えば以前「そのままスキャン」で支援させていただいたある企業様は、過去に社内外で作成されたあらゆる販促資料をアーカイブ化したいというご要望をお持ちでした。一つ問題となったのが、過去に放映していたテレビCMの資料にどのような目録を付与するか。企業様と相談させていただいた結果、「(CMの)出演者」というかなりユニークな目録を付与することになりました。これによりアーカイブ内にて『女優の●●さんが出ていた広告を見つけたい』といった時、スムーズに検索することが可能となりました。

ただ、このように柔軟な目録の設計に対応するデジタルアーカイブ業者は多くありません。デジタルアーカイブの相談をする際は出来るだけこちらの要望や完成イメージといった「やりたいこと」を伝え、業者が柔軟に対応してくれるのかをしっかり確認しましょう

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デジタルアーカイブで目録は最重要!

デジタルアーカイブにおける目録について簡単に解説しました。図書館での蔵書検索で何となくイメージがついている方も多いと思いますが、いざ自分の組織で作るとなるとまた違った見え方になってきます。

目録の付け方一つでデジタルアーカイブの操作性が大きく変わり、ひいてはアーカイブを閲覧する無数のユーザーにも大きく影響することとなります。必ずアーカイブの企画時に詳しい業者や専門家へ相談することをお勧めします

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